カラオケ、それは決して口にしてはいけない言葉だった。
Your★King!
「ねぇ、皆!カラオケに行こうよ!」
の一言に一同固まる。
「あれ…?皆カラオケとか嫌いだった?」
は子犬のような瞳で、リナリー、アレン、神田、ラビを見つめている。
「全然嫌いじゃないです。寧ろ、あんな密室で僕と二人きりになりたいだなんて大胆な子になったんですね、?」
「いや!全然違うから!その思考回路がおかしいから!」
さらっと、凄い台詞を吐くアレン。『コイツ、ホストとか向いてると思う』一同心を揃える。
「俺も行きたいけどさ、あの…」
「私も…」
そう言ってリナリーとラビは独り、水筒のお茶を注いでずずぅーっと飲んでいる神田を見る。
神田も視線に気づいたのか、すだちを丸かじりにしたときのような顔をする。
「なんで、お前ら俺見てんだよ?」
気付いていないのか、いつもの不機嫌MAXの顔で話に混ざる。
まさか、と思いは勇気を出して聞いてみる。
「いや…ね?神田カラオケって分かる?」
「空桶?空になってる桶のことだろ?知ってるぜ。」
得意げに言う神田を皆、何とも言えない顔で見る。この発言を道化は見逃さない
「ははっ、前髪ぱっつんはカラオケも知らないんですね!」
「んだと!」
二人がもみ合っているとラビが間に入る。
「まぁ、まぁ。喧嘩はよくないさ!」
三人が話しているときにリナリーがの手を取った。
「?なぁに、リナリー。」
「ほら、カラオケ行くんでしょ?一緒に行きましょ。」
「うん!」
三人を置いて歩いていくリナリーと。そんな二人の影を三人は急いで追いかけて行った。
街に出ると相変わらず凄い視線が集まる。学園内でも美麗組と称されている五人組
甘い笑顔と紳士な性格で、年上女子から大人気なアレン。歩いている時もの横をさりげなくキープ。
元気で明るい、皆から大人気のラビ。の首に腕を絡ませては、を窒息寸前に至らせたことも有る。
顔は文句のつけどころのない美の申し子神田。無口だけれどもの鞄を持ってくれている。
可愛さ&スタイル抜群のリナリー。の手を取りさりげなく恋人繋ぎをしている。
そして温かな笑顔を振りまく。四人のガードが固く校内の人間は誰も手を出せない。
そんなメンバーで、ぞろぞろと歩いているうちに目的の場所に着いた。
「此処が一番近いカラオケだね!」
が元気にそう言うとラビがの手を取って
「!仲良く一緒に入るさー!」
「えっ?ちょっと…ラビ!」
そう言いながら二人は店内へと足を踏み入れた。
「んもう!ラビにばっかりいい顔なんてさせないんだから!」
「早く邪魔しましょう!リナリー!」
「そうね、アレン君!」
残された二人も早足で店内へと入っていく。
ただ一人残された神田は不思議そうな顔で店内へと足を進めていった。
「では、こちらの部屋へどう、ぞ…」
疲れ切った顔の店員が出てきてたちを部屋へと案内した。
中の作りは至って普通のカラオケ店で、アレンは苦笑い。
「なんだ、意外に広いじゃないですか。残念だな…やっとと接近できると思ったのですが」
「駄目よ、アレン君。そういうの言葉にしちゃ」
「ですね。」
周りの皆は、何この会話?と思いながら黒オーラ全開の二人を見る。
「ま、まぁ二人とも!せっかくカラオケに来たんだから歌おうよ!」
「そうね、でもただ歌うだけなんて勿体ないと思わない??」
「えっ!うん、そうだね。でもリナリー、何するの?」
「うふふ、勿論王様ゲームよ!」
「マジで…?」
「ラビ、無駄ですよ。あの顔はマジですよ、リナリー。」
「うっ…分かったさ…」
「楽しそうだね!私もやりたいな!」
純粋無垢な笑顔で言う。きっとこのゲームの恐ろしさを知らないのだろう。
「じゃあ、くじ作るわね」
リナリーはそう言って、大量の割りばしを学校指定の鞄から取り出す。
「うわっ…常備してるさ…」
「何か言ったかしら、ラビ?」
「いえ…何も。」
ラビはぶるっと身を震わせてからそう言った。狩人に捕らわれた兎そのものだ。
リナリーは直ぐに番号を付けていく。この大量の割りばしといい、リナリーは何を持っているのだろう。
「はい!くじ完成。じゃあ、皆で一斉に引きましょ」
「俺は…やらな…「やりましょ?」
神田の言葉を遮り、リナリーは有無を言わせなかった。
「せーのっ!」
の合図とともにくじが引かれる。
「ふふ、僕が王様ですね。」
アレンはそう言うと意味深な笑みを浮かべた。
「じゃあ、1番が3番に膝枕でお願いします!」
「ぶおっ!」
ラビが飲んでいたドリンクを思わず噴き出しそうになった。
「チッ…」
神田は不機嫌丸出しになった顔…
「えっと…というわけは…もしかして、神田とラビ…?」
「そうさ…」
「チッ…」
「じゃあお願いします。」
これほど寒い光景はないと思う…そうが思った瞬間…
「あっはははは!!はっ!ラ、ラビにぱぱぱ、ぱっつん…!!」
アレンはお腹を抱えて大笑い。
「これで!満足さ!?絶対俺の18年間生きてて史上最悪の体験さ!」
「MOYASHI!…後で絶対に斬る!」
ラビは最早泣きそうになり、神田は英語でアレンをもやしと呼びMOYASHI!に向かって竹刀を突き出している。
「ユウ…最早日本語喋ってねぇさ…」
ラビの呟きも虚しく、白髪の王様は言う。
「はっ…傑作ですよ!二人とも!」
「「ふざけんな!!」」
「ア、アレン!そろそろやめてあげよう?」
が急いで止めに入る。
「ふぅ、そうですね、これ以上見てたら、僕の腹筋が崩壊してしまいますしね。二人とも、ご苦労様でした」
「うぅ…」
「…」
この後も、
アレンが神田のことを肩車したり、
ラビと神田が女装したりと沢山の寒い光景をは見た。
そんな風に王様ゲームの回数を重ねていたら、終了時間10分前のお知らせが入った。
「なんか、全然歌った覚えがないさ…」
「まぁ、いいじゃない!楽しかったんだから、ね?」
「楽しかったのは、リナリーだけさっ!」
「うふふ、そうかしら?じゃあ、もう一回だけ…最後にやりましょうか」
リナリーの言葉を合図にもう一度、皆がくじを引く。
「えっと…、あっ私が王様だっ!」
はにっこりと微笑み、そう言った。
リナリー以外の皆は内心ホッとしていた。もう二度とあのようなことはしたくない、いいや考えたくもない。
「、命令は?」
「うーん、命令じゃないんだけど…いいかな?」
「の言うことなら何でもいいさ!」
「うわ、ドM発言ですか、ラビ」
「違うっつーの!」
「それで?命令は?」
「うーん、じゃあ…今日はみんなで手を繋いで帰ろうよ!」
の提案に皆が目を丸くして驚く。
「手…ですか?」
「うん…駄目かな?」
「全然!寧ろ嬉しいわ!」
「んじゃ、最後のゲームも終わったし、帰るさ!」
カラオケ店から出ると皆手をつないで歩きだす
「の隣は、もらったさ!」
「あっ!ラビずるいですよ!」
「ちょっと!神田、さりげなく何での隣なのよっ!」
そんな賑やかで何処か温かな会話には微笑む
きっとこの先も、ずっとこうして皆と笑ってるんだろうな
平穏だけどこんな日常が愛しくて堪らない私がいるから
そう思って、私はもう一度願いを込めて微笑んだ
これからも、こんな幸せが続きますように――
あとがき
相互して下さってありがとうございます!また相互記念御礼記念夢遅くなってしまって申し訳ありません…
ギャグ…このようなもので大丈夫でしょうか…?
長く、そして駄文ですが貰っていただけると、嬉しいです^^
ちなみに、書いていてラビの女装が見てみたいと思わず思ってしまった者です←
これからも、こんな私ですが仲良くしていただけると嬉しいです><
ティー様のみ背景画像以外ご自由どうぞ!
これからもよろしくお願いします! *春樹