今日は黒の教団のハロウィン仮装パーティー!さて、今日の主役は誰でしょう?
Happy Helloween!
「ねぇー!今日はハロウィンパーティーとやらをやってみないかい!?」
「室長ー…仕事は…?」
半ば呆れる科学班。私もそれに賛成。面倒くさいもん。
「面白そうさぁー!俺やりたいっ!」
は?
「確かに面白そうね。ね、アレン君ももやりたいわよねっ?」
「いいですね!僕はすごくやりたいです。」
「……」
「やりたいよね?」「やりたいよなっ!」「もちろんやりますよね?」
エクソシスト三人に黒い笑顔でそう言われたら断れるわけない…
「分かったよ!参加する…よ。」
「やった!」
でも私は忘れてた…自分の彼氏がかなり独占欲が強いってこと。
「ねぇ…リナリー。断るって駄目?」
「あら、今更何言ってるのよ!すごく可愛いわよ、襲っちゃいた…何でもないわ。」
後半の言葉はスルーしよう。
「だからって仮装でこんなにミニスカートで、胸元あいてる服なんて恥ずかしいもん!」
今私がリナリーに着せられたのは、魔女の仮装…なんだけど、その服が凄く恥ずかしい。
スカートの長さはもうギリギリ。胸元は広くあいていて着ているのすら恥ずかしかった。
「行くったら行くの!」
ほぼ強制的にリナリーに腕を引っ張られて食堂までの道を歩いた。
会場はとても賑やかでみんな個性豊かな仮装をし、ひとりひとりが楽しんでいた。
何故だかわからないが、凄く見られている気がする。あっ!リナリー可愛いからか!
そんなことを考えてぼーっと歩いていたせいかぼすっと誰かにぶつかってしまった。
「あっ!すみません。大丈夫でしたか?」
あれ、この声にしゃべり方…なんか聞いたことがある…
「あっ、こっちこそごめんなさい!前見ないで歩いてたので…」
そう言って通り過ぎようと思ったら不意に腕をつかまれた。
「もしかして…ですか?」
腕をつかんだ人物の方向へと振り返るとそこには、アレンの驚いた表情があった。
「ア、アレン…!」
一番見られたくない人に見られた…!どうしよう…!
「あああのねっ!これはリナリーが無理やり着せたものであって決して私から着ようなんて思ってないからねっ!?」
必死にそう伝えていたらアレンのはいつもの優しいオーラなんてまったくなかった。
「。」
「はっはい!」
ふいに呼ばれて凄い気合いの入った返事になる。
「僕の部屋、来てください。」
?何か悪い事でもしただろうか。アレンがこの言葉を使うときはアレンの機嫌が悪くなったときと決まっている。
そうこう考えているうちに部屋についてアレンが私を招き入れた。
「。は自覚ないんですか?」
半ば呆れ気味にアレンはそう聞いてきた。
「自覚?ないよ、そんなの。」
「なっ…!」
急にアレンが顔を真っ赤にして私を見てきた。何だか今日のアレンはおかしい。
「アレン?」
名前を呼ぶと急に腕を引っ張られ、体勢を崩した私はアレンの腕の中にすっぽりと収まってしまった。
「なっ!離してよ…!」
「駄目です。」
きっぱりそう言ってからアレンは私の胸元に舌でペロッと舐めた。
「っ…!」
「もう一回聴きますけど、こうされてもまだ自覚ないんですか?」
黒い笑みで不敵にそう言うアレンは妙に色っぽく見えてなんだか緊張する。
「分かんないよ…。」
「じゃあ、教えてあげます。今日のは色っぽすぎるんです!」
急に子供っぽくなったアレンに私は驚いた。
「はぁ…?」
「だって!のその格好はまずいですよ!いくらなんでも似合いすぎですっ!」
いきなり早口で顔を真っ赤にして話し出したアレン。こういうところは、なんか可愛いな、と思う。
「あはは。」
「!?なんですか、!大体が悪いんですからねっ!」
「何で私が悪いのよ!?」
「だって僕以外の前でそんな格好するからっ…!」
「えっ…?それってもしかしてヤキモチ?」
「〜っ!ち、違います!ただその…」
「?」
「僕以外の前でそんな可愛すぎる服…着ないでください…。」
真っ赤になって言うアレンは迫力の欠片もないけどなんだか凄く可愛かった。
「うん。アレンがそう言うなら着ないよ。」
あっさりな返答に驚いた顔をしたアレンはぼそっと言う。
「良いんですか?こんな我儘きいてもらっても。」
「うん。だって大好きなアレンの頼みだもん!」
笑顔でそう言うとアレンの周りのオーラがいきなり変わった。
「じゃあ、もう一個だけ…お願い聞いてもらってもいいですか?」
「私に出来ることならなんでもどーぞっ!」
「じゃあ、キス…させてください。」
「えぇ?それは無理…!」
「僕のお願い、聞いてくれないんですか…?」
「分かったよっ!ちょっと待っ…」
言い終える前にアレンから降ってきた触れるだけのキス。
「なっ!アレン…」
「のこと大好きですから、僕。」
アレンが囁いた甘い甘い魔法の言葉。これからもずっと一緒…
その意味も込めて私はアレンにそっと口付けをした。それはこれからもずっと一緒に過ごせる様にするおまじないだから。
あとがき。
ホントは拍手ものになるはずでしたがなんだか短編ものにしたいなぁ、と。
楽しく書いてました!個人的にアレンのヤキモチがすごく書きたかったので満足です。
此処まで読んで下さってありがとうございました!!
初書き。2008.10.20