ぐいぐいっ。
そんな効果音がぴったり。私はすごい勢いで神田先輩に腕を引かれていた。
Little*Song
「先輩っ!神田先輩っ!」
「何だよ。」
「何で私の名前知ってるんですかっ!?」
後半は声が裏返っている。でも何よりも知りたいことがあった。
何で『私』を知っているのか。
「クッ…」
短い笑い声。その声色は馬鹿にしているわけでもなく、鋭いイメージとは対照的な優しい声だった。
「笑いましたねっ?それで何で知ってるんですか!」
「今に分かる。」
そう言ってまたつかつかと歩き始める先輩。
何処に向かっているんだろう…この学園は広すぎて、初めて来た私には何処に何があるのかも全く分からない。
そう思っていたらいきなり先輩の足が止まった。
「ここだ。」
そう一言言う神田先輩。何処ここ…?此処は三階の一番隅の教室。扉にはバンっと大胆にポスターが貼ってある。
「生徒会室…?」
私の目の前には中学生の頃から一生縁のない生徒会室があった。何でわざわざ…
「あの…先輩?私に一体何の用が…」
「いいから入れ。」
ガラッ。先輩に後ろから思いっきり押されて生徒会室へと一歩足を入れた。それとともに…
「ーっ!!」
がばっと、抱きつかれて視界がふさがる。
「だっ誰ですかっ?!」
「俺だってば!今朝会ったばっかの!」
この独特の口調は…
「ラビ先輩っ!?」
「せいかーい!」
今度は前からではなく後ろからラビ先輩は抱きついてきた。
「ちょっ!離れて下さいってばー!」
必死に抵抗していたらいきなりラビ先輩がぺりっと私から剥がれた。
「ちょっと!僕の大切なに何してるんですかっ!!」
今度は先程挨拶していたアレン君が出てきた。僕の…ってどういう意味ですか。
「なっ!アレン!いいだろー!初めて本当の妹に会えたんだからっ!!」
え。
「それとこれは別です!大体はまだ知らないんですっ!」
「何を?」
「が僕たちの妹だってことを!!」
………嘘おおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
私がこの美男美女軍団の妹っ!?ないない。普通にありえないでしょ。ね?
「そうよ!ラビ。このことは本人にはまだ伝えられてないのよ。」
ショートヘアーの美少女のリナリー先輩が出てきた。近くで見ると一段と可愛い。ってそんな場合じゃない!
「あの…今の話。本当ですか。」
恐る恐る聞いてみた。信じられない。これは夢だと思いたい。
でもそんな願望は…
「本当さ!」
元気なラビ先輩の声できっぱりと壊された。あはは★昨日の夜更かしが効きすぎたかもしれないや!
思考回路停止中に誰かが私の手を握った。
「…というわけで!今日から一緒に住むことになってます!アレンです!年も同じですから気軽に話してくださいね!。」
ニコッ。優しく甘い笑顔でそういうアレン。
「改めて言う。俺は神田だ。三年だから困ったことがあったら何でも聞けよ。」
固い口調だけど何処か優しい神田。
「これからよろしくねっ!私はリナリー!に逢うの凄く楽しみにしてたの!やっぱり可愛いっ!」
とびっきりの笑顔で優しいお姉ちゃん、リナリー。
「俺はラビ!これから毎日一緒さっ!!」
凄くうれしそうな笑顔のラビ。
一体これからどうなっちゃうんだろう…私…
あとがき。
短か過ぎですね…ハイ。
次のお話はもう少し頑張りたいと思います!
次回からは皆が家に住み始めます。楽しんでいただけたら…い い な!
2008.11.08 初書き。